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管理人の日記、毎日のことやニュース、映画にドラマ、なんでもつらつら不定期更新。でもほとんどドラマの感想。
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ちょっと時間がたってしまいましたが最終回の感想。

とにかく驚きました。
日本という国の扱いや、国民に対する差別、アジアへの侮蔑がここまでこの時間帯で描かれた事にまず驚き。
現代の価値観に迎合してそのへんをうやむやーに奇麗ごとに終らせなかった脚本にまず賞賛をおくりたい。
佐藤さんの演技はさすがに中年以降になると無理があり、どうにか低い声を出そうとする発声が聞き取りづらいものもありました。
でもそれぞれの役がバッチリ嵌ってしましたし、こういう破天荒なキャラでなければ
アジアに対する偏見があったあの時代の中で、寡に外国に渡り成功する事はできなかったかもしれません。
この主人公がやっている事は、日本人らしいコツコツと努力するとかそういった細かいことはあるんですが
なにより「自分の意見をはっきり言う」という事を始終していたのではないでしょうか。
空気をよんだり、言いたい事を飲み込んだり。そういった事が日本の美徳ではあるけど
自分の主張と、これはおかしいと思う事はハッキリ主張しなければ相手に伝わるわけがないのです。
それを出来る主人公だったからこそ成功したのではないかと思いました。

鴨の真似をして笑わせる彼らを、見ながらあざ笑うGHQの姿は
当時の外国がどのように日本を見ていたかがよく現れた比喩の場面でした。
つまり、あざ笑う行為そのものを止める者がいないという事こそが、アジアは差別されて当たり前という価値観の現れ。
しかし国ではなく人個人として見ると、GHQの中には、あざ笑う者もいましたが、なんでこんな事を…と困惑したり悲しそうな顔をしたりしているGHQもちゃんといた。ひとくくりではなく、それぞれだったのです。
そしてあざ笑う当の本人のアメリカ人はというと、実は「天皇のためなら何でもする国民性なんじゃないか」という事を恐れているからこそだったのです。
そういう見方だったのです。だって特攻隊とか見てたらそう映りますよね。

けれど日本にとっての皇室というものがどういうものかというのを、生まれた時からそこにあり、特に考えもせず親しみを持ち、なくなったら悲しいなと思う。
そういうものだと「味噌」のようなものだと比喩したのがとてもうまいと思いました。

右寄りとか左寄りとか、そういったくだらない事に左右されず、公平に、ありのままに、庶民感覚を大切に脚本をしあげ、そして作り上げた事に驚きました。
とても皇室に敬意を払いながら丁寧に作られた、時代の価値観から逃げなかった物語だと思いました。
主人公の「料理人」という職業の社会的対場など
彼の目線から見た時代の変化も感じられましたし、こういう見応えのあるドラマをまた見てみたいものです。
でもそうそう題材が転がってる訳でもないしなあ。
この天皇の料理番という題材は、ちょっと真似できないものがあります。
マンガになりますが桃森ミヨシ先生の「皇子かプリンス」というマンガも、架空の名前ではあるけど現代の皇室がどういうものなのかというのを
敬意を払いつつ非常に中立な立場と庶民的観点から描いたいいマンガでした。
ですが少女漫画というカテゴリでやるには限界があったのか、3巻で終ってしまい最後は畳み掛けるようなものだったのが残念なのですが、
皇室に対する存在感というのは、このドラマと通じるものがあったと思います。
近くであり遠くであり、皇室そのものは政治的な力を全くもたない。でも国と国の平和の為の潤滑油として大きな役割を果たしてくれている。
海外のサイトやインスタグラムでは「皇子かプリンス」が時々紹介されており、外国の人は「日本の皇室の公平な価値観がよくわかる、敬意をもって描かれた良作」と評価されているのを見かけます。
このドラマも海外の人が見るでしょうが、どのような評価になるのかちょっと楽しみだったりします。
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